交通事故
「交通事故にあった。何を請求できるの?」「保険会社が示談交渉してきた」-弁護士が答えます。
初めに
交通事故と一口に言っても,重大な事故から軽微な事故まで様々なものがあり,ご本人のみならず,友人やご家族が交通事故に遭われたという経験であれば皆さんあると思います。交通事故にあっただけで精神的にも大変な負担なのに,加害者に対して十分な損害賠償金の支払いを求めることができなかったら…。そんな不安もあるでしょう。弁護士であれば適切な金額を計算し,支払を求めることが可能です。
この記事では,交通事故によって加害者に対して支払いを求めることができるものについてまとめました。また,保険会社から示談金の提示を受けている方についても,役立つ情報をまとめましたので,参考にしていただければ幸いです。
交通事故でもらえるお金
交通事故の被害者は,加害者に対して,
- 積極損害(交通事故によって減った財産の金額)
- 消極損害(交通事故がなければ得ることのできた金額)
- 慰謝料(身体に傷害があったとき)
の支払を求めることができます。各項目につき,具体的に説明します。
1. 積極損害
積極損害とは,交通事故によって減った財産の金額,つまりは交通事故によって支出することになった財産額と言ったほうがイメージしやすいのではないでしょうか。
例えば交通事故によって車両の一部が壊れた場合,その修理代は積極損害にあたりますし,身体の傷害を理由として病院や整骨院に通院した際には,その治療費も請求できます。また,細かいところで言えば通院の際の交通費なども認められています。大きな事故によって介護が必要となった場合には介護費用,死亡事故の場合には葬儀費用などの支払を求めることができます。
2. 消極損害
消極損害とは,交通事故が無ければ得ることのできた金額を言います。例えば,交通事故によって1か月間入院するとしましょう。その際,交通事故がなければ入院することなく,普段どおり会社に通い,勤めることができたわけですから,その月の給料について加害者に支払を求めることができます。一般に休業損害と言われるものです。
休業損害の計算は簡単なものではありません。一般的なサラリーマンの方であれば比較的計算は簡単であるものの,自営業の方や会社役員の方などは,年収のばらつきも多く,また必ずしも稼働日数と報酬が対応していないことから,複雑な計算が必要となる場合が多いです。
さらに,入通院期間が長期にわたるような重度な事故である場合には休業損害も自ずと高額になりますし,死亡した場合にはいわゆる逸失利益と言って,将来得ることができたであろう生涯賃金について支払いを求めることができます。いずれも計算は困難なものとなります。
3. 慰謝料
交通事故によってケガを負い,治療のため入通院した場合や,死亡事故の場合,被害者の精神的なダメージに対する賠償を求めることができます。これを慰謝料と言います。慰謝料の額については裁判で認められている基準に基づき支払われます。
保険会社が提示した金額には要注意!
ところで,加害者が金銭を直接支払う場合もありますが,実際には保険会社が支払う場合が多く,交渉自体も保険会社が行うことがあります。その結果,保険会社が被害者の方に対して示談金額を提示してくることがありますが,鵜呑みにしてはいけません。
一般に,交通事故による損害賠償額の算定について,3つの基準が用いられます。弁護士基準(裁判基準),自賠責基準,任意保険基準です。そのうち,場合にもよりますが損害賠償額が低額となりやすいのが自賠責基準,高額となりやすいのが弁護士基準(裁判基準)となります。
さて,自賠責保険は自賠責法という法律に基づき,加入が義務付けられている保険であることから低額に設定されていますが,任意保険基準はどうでしょう。保険会社は営利企業ですから,保険金が低額で済む方が自社の利益にかなうため,弁護士基準よりも慰謝料の額を低額に定めているのです。任意保険基準は,各保険会社毎に異なるため,その内容にばらつきはありますが,いずれにしろ弁護士基準による計算よりも低額になるよう定められています。
そのため,保険会社が提示してきた示談金額よりも,弁護士基準に基づき計算した損害賠償額が高額となるため,保険会社が提示した示談金額については注意した方がいいでしょう。
最後に
損害賠償として認められる費用や保険会社の示談金の提示に関して述べてきました。弁護士基準は高額になりやすいものの,複雑な計算が必要となります。また,保険会社との交渉においても,弁護士が受任していることが分かればスムーズに終わるケースも多く,弁護士に依頼することが不可欠です。
当所では,交通事故による損害賠償請求に精通した弁護士が多数在籍しております。初回の相談のうち1時間は無料ですから,是非一度,当所にご相談ください。
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